
パートナーの行動が気になり、バレないGPSで居場所を確かめられないかと考える方は少なくありません。結論を先に書くと、相手に無断で取り付ける使い方は法律上アウトです。
この記事では、どこからが規制対象になるかを条文で示し、合法に使える場面と機器の選び方、真実を確かめる手順まで解説します。
結論:相手に無断で取り付ける「バレないGPS」は法律上アウトになる
まず線を引いておきましょう。市販の小型GPSを買う行為自体は自由です。
一方、相手の承諾を得ずにその持ち物や車へ取り付け、位置情報を見る行為は、ストーカー規制法が定める「位置情報無承諾取得等」に当たりえます。問題になるのは機器の性能ではなく、誰に対して承諾なく使ったかという一点。
「見つかりにくい機種を選べば大丈夫」という発想は、法律の側から見ると論点がずれています。発見されるかどうかと、違法かどうかは別の問題だからです。
とはいえ、合法に使える場面が消えるわけではありません。自分だけが乗る車の盗難対策、同意を得たうえでの家族の見守りなど、残る用途はあります。
前半で線引きを、後半で合法な使い方と選び方を扱う構成です。
法改正で、AirTagなどのタグも規制対象になった

最初に押さえておきたいのが、この分野の法律が直近で動いた事実です。2025年12月10日に公布された改正法により、同年12月30日から、いわゆる紛失防止タグも規制の対象に加わりました。
それ以前の条文に書かれていたのは衛星測位を使うGPS機器だけで、タグ型の扱いには解釈の余地が残っていました。
追加されたのは「位置特定用識別情報送信装置」=周辺の機器が拾って位置を特定するタグ
条文に加わったのは「位置特定用識別情報送信装置」という区分。自分では測位せず、識別信号を出して周囲の端末に拾わせ、その端末の位置から所在を割り出すタイプを指します。
AirTagやTileのような紛失防止タグは、まさにこの仕組みで動いています。
GPS本体は2021年8月26日施行の改正ですでに対象だった
衛星測位型のGPS機器は、2021年5月26日公布・同年8月26日施行の改正で先に規制対象へ入りました。施行令は対象装置を「衛星測位の技術を用いて得られる位置情報を記録し、又は送信する機能を有する装置」と定義しています。
市販の小型GPS発信機は、ほぼこの定義に収まると考えてください。
警察は相手の申出がなくても職権で警告を出せるようになった
同じ2025年12月30日施行の改正で、警察の警告に関する規定も変わりました。改正前は被害者側からの申出を受けた場合に限られていたところ、改正後の条文は「その相手方の申出により、又は職権で」警告できる形になっています。
相手が被害届を出さなくても、警察が動く余地は広がりました。
タグを使った追跡のリスクはAirTag(エアタグ)での浮気調査は100%バレる!設置リスクと合法的な証拠の掴み方を徹底解説でも扱っています。
どこからが違法?「位置情報無承諾取得等」の3つの要件

「無断で付けたら即逮捕」と書いた記事も見かけますが、条文の作りはもう少し複雑。規制がかかるかどうかは、目的・行為・反復という3つの角度から判断されます。
順番に見ていきましょう。
①目的要件:恋愛感情・好意・怨恨を満たす目的であること
条文は「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」と定めています。純粋な業務目的や資産管理の目的は、この要件から外れる形です。
ただしパートナーへの監視となると、この感情を満たす目的と評価される余地が大きく残ります。
②行為要件:承諾なく取り付ける、または承諾なく位置情報を取得する
対象になる行為は2種類。ひとつは承諾を得ずに相手の所持する物へ装置を取り付けること、もうひとつは承諾を得ずにその位置情報を取得することです。
取り付けた人と位置情報を見た人が別であっても、それぞれ別個に評価されます。
③反復すると「ストーカー行為」として罰則の対象になる
罰則が直接結びつくのは「ストーカー行為」で、条文はこれを「反復してすること」と定義しています。該当した場合の法定刑は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金、警察の禁止命令に違反したときは2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金。
1回きりの行為が直ちに処罰されるわけではありません。とはいえ位置情報は、継続して見るからこそ意味を持つ性質です。
GPSを使う場合の法的な整理は浮気調査でGPSを使うのは違法?合法?知っておくべき4つのリスクと正しい証拠集めをプロが解説でも詳しく扱っています。
車の名義は関係ない。共有名義でも自分名義でもアウトになりうる
相談を受けていて最も多い誤解が「夫婦の共有財産の車だから自由に付けてよい」という理解。この点は、法律の本体ではなく施行令に答えが書かれています。
施行令が「相手が現に移動に使っている自動車」を明記している
施行令は規制対象となる行為のひとつとして、相手の「移動の用に供されることとされ、又は現に供されている」自動車・原動機付自転車・自転車などへの取り付けを挙げています。しかも、その所持する物に該当する場合は除く、という書き方です。
つまり相手が普段乗っている車であれば、名義が誰かは判断の中心になりません。
アプリで位置を見るだけでも「取得」にあたる
施行令は位置情報の取得方法も具体的に定めています。画面上で閲覧する方法、記録媒体を取得する方法、送信されたデータを受信する方法の3つで、事業者のサービス経由で提供を受けるケースも含む書き方です。
取り付けたのが過去でも、アプリを開いて確認する行為はそのつど取得に当たります。
刑事責任とは別に、民事のプライバシー侵害も問われる
刑事責任の話が終わっても、民事のリスクはそのままです。無断の位置情報取得はプライバシーの侵害として不法行為に当たり、損害賠償を請求されるおそれがあります。
離婚を前提に動いている場面では、この点が後々まで響いてくるはずです。
無断設置が発覚すると、実際にどうなるのか
「もしバレたらどうなるのか」は、相談の場でもよく聞かれます。刑事と民事の2つの経路が、それぞれ独立して進む点に注意してください。
| 経路 | 起こること | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 刑事① | 警察本部長等による警告 | ストーカー規制法 第4条 |
| 刑事② | 公安委員会による禁止命令等(聴聞を経て発出) | 同 第5条 |
| 刑事③ | ストーカー行為として1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 同 第18条 |
| 刑事④ | 禁止命令等に違反した場合は2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金 | 同 第19条 |
| 民事 | プライバシー侵害を理由とする損害賠償請求 | 民法 第709条 |
警察はまず警告を出し、従わなければ禁止命令へ進む
ストーカー規制法は、いきなり検挙する建て付けにはなっていません。まず警察本部長等が警告を出し、それでも反復するおそれがあるときに公安委員会が禁止命令等を出す、という段階構造です。
2025年12月30日以降は、相手からの申出がなくても職権で警告を出せる形に変わりました。
段階が進むほど法定刑の枠が重くなる
禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合、法定刑は2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金。禁止命令等への違反それ自体にも、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が定められています。
止めるよう言われた後に続けたかどうかが、扱いを大きく分ける分岐点。
離婚の話し合いでは、こちらの落ち度として持ち出される
慰謝料を請求する立場であっても、無断でGPSを付けた事実は相手側の反論材料になります。民法第709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定めており、プライバシー侵害を理由に反訴されるおそれもあります。
親権や面会交流の協議でも、監視的な行動は不利に働きがちです。
合法に小型GPSを使えるのは、この4つの場面

ここまで制限の話が続きましたが、小型GPSの用途自体が否定されたわけではありません。目的要件と承諾の有無をクリアできる場面なら、堂々と使える用途です。
代表的な場面を4つ挙げます。
| 場面 | 何に取り付けるか | 承諾の要否 |
|---|---|---|
| 自分だけが使う車の盗難対策 | 自分の車 | 不要(他の家族も運転するなら要相談) |
| 自分の持ち物の紛失対策 | 自分の財布・鞄・鍵 | 不要 |
| 社用車の運行管理 | 会社所有の車両 | 従業員への周知が前提 |
| 家族の見守り | 家族の持ち物 | 本人の同意が前提 |
①自分だけが使う車の盗難対策
自分名義で自分だけが運転する車に取り付け、盗難時の追跡に備える使い方。他人の行動を追う目的ではないため、目的要件に触れません。
車両保険と組み合わせて備える人が増えています。
②自分の持ち物の紛失対策
財布・鞄・鍵など、自分の持ち物にタグを入れておく使い方です。AirTagなどの紛失防止タグは、本来この用途のために作られました。
自分の持ち物を自分で探す限り、承諾の問題は起きません。
③社用車の運行管理(従業員への周知が前提)
運送業や訪問営業では、社用車に車載端末を付けて運行を管理する運用が一般化しました。ただし従業員に知らせずに導入すると、労務上のトラブルを招きかねません。
就業規則や社内規程で目的と範囲を明示し、周知したうえで運用しましょう。
④同意を得たうえでの家族の見守り
子どもや高齢の家族の見守りは、本人と家族が納得したうえで使うのが前提。子ども向けの見守りGPSに通知ボタンや発信機能が付いているのは、隠して使う道具ではないからです。
黙って持たせるのではなく、目的を説明して渡してください。
合法に使う前提での小型GPS 選び方7つのチェックポイント

用途が固まったら、機器の選定に入ります。ここでは合法な用途を前提に、実務で効いてくる観点を7つへ整理しました。
「見つかりにくさ」は評価軸に入れていません。
①測位方式(衛星測位型かタグ型か)
衛星測位型は自ら位置を割り出すため、周囲に人がいない場所でも使えるのが強みです。タグ型は周囲の対応端末に拾わせる仕組みなので、人通りのない場所では位置が更新されません。
向いているのは、屋外の車両なら衛星測位型、都市部で持ち物を探すならタグ型です。
| 種類 | 位置の割り出し方 | 得意な場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 衛星測位型(GPS発信機) | 測位衛星の電波を受信して自ら位置を計算する | 屋外・人通りの少ない場所・車両 | 本体が大きめ/通信費がかかる |
| タグ型(紛失防止タグ) | 識別信号を周囲の端末に拾わせ、その端末の位置から特定する | 人が多い都市部・かばんや財布 | 周囲に対応端末がないと位置が更新されない |
②通信方式と月額費用
衛星測位型の多くは、位置を送るためにSIMによる通信を使います。通信料が本体価格に含まれる買い切りタイプと、月額を払うタイプの2系統。
長く使うほど月額の比重が大きくなるので、想定利用期間から総額を出して比べましょう。
③バッテリーと給電方法
電池式は設置の自由度が高い反面、充電の手間がかかります。車のシガーソケットやOBDポートから給電するタイプなら、充電切れの心配はほぼありません。
盗難対策なら常時給電、持ち物の紛失対策なら電池式が扱いやすい構成です。
④防水・防塵性能
車外に設置するなら、雨や泥にさらされる前提で選びます。IP規格の等級表示を確認し、屋外設置ではIPX7相当以上が目安。
屋内や鞄の中で使うだけなら、等級にこだわる必要はありません。
⑤サイズと固定方法
注意したいのは、小さいほど良いとは限らない点。マグネット固定なら十分な保持力が要りますし、走行中の振動で落ちない構造かどうかも確認しておきます。
タグ型はキーリングやカードスロットに収まる形状を選びましょう。
⑥更新間隔と履歴の保存期間
位置情報を何秒ごとに更新するか、履歴を何日分さかのぼれるかは製品差が大きい部分。更新が細かいほど電力を使うため、バッテリー持ちとのトレードオフになります。
向いているのは、盗難対策なら短い更新間隔、運行管理なら長い履歴保存です。
⑦技適マークの有無
電波法は、免許を受けずに使える小電力の無線局の条件として、技適マークの付いた「適合表示無線設備」のみを使うことを挙げています。注意したいのが、海外通販で買った端末に技適マークのない製品が紛れている点。
購入前に技適マークの表示を確認しておきましょう。
仮に設置しても、GPSの位置情報は不貞行為の証拠にならない
ここまで読んで「リスクを承知で付ける」と考えた方へ、もうひとつ現実的な話をしましょう。無断設置に踏み切ったとしても、そこで得られる情報は求めている証拠になりません。
理由は2つ。
記録できるのは「点と線」だけで、誰と何をしていたかは残らない
GPSが残すのは、いつどこにいたかという地点と、その移動経路だけ。ホテルに滞在した記録が取れても、誰と一緒だったか、そこで何があったかまでは残りません。
「一人で仮眠していた」と説明されれば、位置情報だけでは覆せないのが実情です。
違法に集めた情報は、話し合いや調停でかえって不利に働く
無断でGPSを付けた事実が相手に伝わると、話し合いの構図が入れ替わります。慰謝料を請求する側だったはずが、プライバシー侵害を問われる側へ回る展開もありえる話です。
証拠を集めたつもりが、自分の立場を弱める材料になりかねません。
相手のスマホの追跡アプリ・AirTagはさらにリスクが高い
機器を買わずに済ませようとして、相手のスマートフォンやタグへ手を伸ばす方もいるはずです。この経路は、専用機を使う場合よりリスクが積み上がります。
AirTagは持ち主以外の移動を検知して通知する設計になっている
紛失防止タグは、持ち主でない人と一緒に移動し続けると、その人の端末へ通知を出したり音を鳴らしたりします。落とし物を探す道具を、人の追跡に転用させないための仕組みです。
加えて2025年12月30日以降は、タグ型も条文上の規制対象になりました。
相手のスマホを無断で操作すると、別の法律にも触れうる
相手のスマートフォンを直接手に取ってロックを解除する行為は、不正アクセス禁止法の対象ではありません。同法が禁じる「不正アクセス行為」は、電気通信回線を通じて他人の識別符号を入力する行為に限られるからです。
一方、相手のIDとパスワードでクラウドの位置情報サービスへログインする行為は、ネットワーク経由の操作にあたり、同法に触れるおそれがあります。パスワードを知っていることは、操作する権限があることを意味しません。
スマートフォンを調べる行為の危うさは【危険】パートナーの浮気を疑い、スマホやGPSで調べる行為がバレる原因10選!違法リスクと確実な対処法で詳しくまとめています。
合法に真実を確かめる方法は、探偵の尾行・張込み
では、どうすれば法に触れずに事実を確かめられるのか。ここからが本題です。
探偵業務は探偵業法が定める「聞込み・尾行・張込み」で行う
探偵業法は探偵業務を「面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務」と定義しています。ここに含まれていないのが、装置を仕掛けて位置を追う手法。
当社も、人が現場で見て記録する方法を基本にしています。
探偵であってもGPSの無断設置は適法にならない
ここは誤解が多い部分なので、はっきり書きましょう。探偵業法第6条には、次の一文が置かれています。
この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない(探偵業法第6条)
探偵という立場が、無断設置を正当化することはありません。「探偵に頼めばGPSを付けてもらえる」と案内する業者があれば、その時点で疑ってください。
報告書は裁判で使える形の証拠になる
尾行と張込みで得られるのは、日時・場所・同行者の外見・行動が写真とともに記録された報告書。位置情報と違い、誰と何をしていたかが画像として残ります。
弁護士に渡してそのまま使える形式で仕上げるところまでが、調査の仕事です。
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バレないGPSに関するよくある質問
無料相談で実際に寄せられる質問を、5つに絞ってお答えします。
Q1 バレない小型GPSを買うこと自体は違法ですか?
購入や所持それ自体を禁じる規定はありません。規制の対象になるのは、承諾を得ずに他人の持ち物や車へ取り付ける行為と、その位置情報を取得する行為です。
自分の車や持ち物に使う限り、問題は生じません。
Q2 相手の同意があればGPSを付けても問題ありませんか?
条文はいずれも「その承諾を得ないで」を要件にしているため、承諾があれば位置情報無承諾取得等には当たりません。ただし同意は、目的と期間を説明したうえで得るのが前提です。
いつでも取り外せる状態にしておくと、後の争いを防げます。
Q3 夫婦なら共有名義の車にGPSを付けてもいいですか?
決め手になるのは名義ではなく、実際に誰が使っているかという点。施行令が「相手が現に移動に使っている自動車」への取り付けを対象に含めているため、共有名義でも自分名義でも規制が及ぶ可能性があります。
同居の有無についても同様です。
Q4 AirTagのようなタグ型でも規制の対象になりますか?
対象になります。2025年12月30日施行の改正で「位置特定用識別情報送信装置」という区分が条文へ加わり、周囲の端末に拾わせて位置を特定するタグが明記されました。
衛星測位型でないから対象外、という整理はもう成り立ちません。
Q5 GPSの記録は離婚調停で証拠として使えますか?
位置情報だけでは、不貞行為の立証に届かないのが実情です。加えて取得の経緯が問われると、提出した側が不利になる展開もあります。
不貞を主張するなら、同行者が特定できる写真付きの記録をそろえてください。
まとめ:線引きを押さえて、確実な一歩を踏み出そう
相手に無断で取り付ける使い方は、機器の種類を問わず規制の対象になります。2025年12月30日からはタグ型も条文に加わり、選択肢はさらに狭まりました。
押さえておきたい点は2つ。ひとつは車の名義が判断の中心にならないこと、もうひとつは位置情報だけでは不貞行為の証拠にならないことです。
まずは、ご自身の状況で何が確認できて何ができないのかを整理するところから始めてみてください。判断に迷う場合は、無料相談で個別の事情をお聞かせいただければ、取りうる手順をご案内します。
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