社員の謎の空白時間
素行調査をお問合せした経緯
今回ご依頼いただいたのは、都内で複数店舗を展開する飲食企業の代表取締役様からでした。
問題の従業員は30代前半の店長職で、入社歴も長く、接客もよくできるため、社内の評価も高い人物でした。
ところがここ最近、同僚スタッフから「シフトにいないのに店の制服で外を出歩いている姿を見た」「お客様から店外で会おうと誘っているらしい」などの不審な報告が複数寄せられるようになったとのこと。
さらには、仕入れ先との伝票に不審な改ざんの痕跡が見られたことから、「勤務中に不正行為をしているのでは?」という疑惑が強まりました。
表面上は誠実な従業員に見えたため、社内だけでは確証が得られず、会社としては厳正な対応が求められるため、素行調査をご依頼いただきました。
調査依頼者の情報
依頼者 | 年齢 | 職業 |
男性 | 30代 | 会社員 |
対象者 | 年齢 | 職業 |
男性 | 50代 | 代表取締役 |
依頼者ヒアリング内容
依頼目的 | ・社員の行動確認 |
調査期間 | ・5日間 |
調査方法 | ・尾行、張り込み |
調査概要
調査事前準備
対象者の勤務スケジュールを企業側より共有いただき、休みの日や早番・遅番のシフト後の行動を特定するため、張り込みや尾行体制を複数日にわたって整えました。
また、店の制服の支給状況や従業員証などから、外部との接触状況を把握するための情報整理も事前に行いました。
調査開始
調査スケジュール
◯対象休日 11:00 |
対象自宅より本日の調査を開始する。 対象は私服で対象宅を出る。徒歩にて移動する。 |
11:15 |
対象は、駅付近のマンションに入る。 その後、女性Aと一緒に同マンションを出る。 |
11:30 |
対象と女性Aは駅付近のカフェに入る。 食事をしている様子である。 |
12:10 |
対象と女性Aは同カフェを出て、電車に乗車する。 |
12:45 |
対象と女性Aは電車を降車し、徒歩にて移動する。 |
13:00 |
対象と女性Aは繁華街にある、系列外の飲食店に入る。 対象は、依頼者の店舗の制服を着用し、バックヤードにて作業を開始する。 |
16:00 |
対象は、店のバックヤードから出入りし、明らかに勤務している様子を確認する。 |
21:00 |
対象は、私服に着替え同店を出る。退勤した様子である。 その後、タクシーに乗車する。 |
21:40 |
同タクシーは、朝に立ち寄ったマンション前に停車し、対象は降車する。 その後、同マンションに入る。 ※同マンションは女性A宅と推測される。 |
◯対象勤務日 19:00 |
対象勤務先より、本日の調査を開始する。 対象は、私服姿で同勤務先に入る。 |
20:00 |
これまで、状況に変化は見られない。 |
22:00 |
対象は、単身で同勤務先を出る。 対象は、帽子とサングラスを着用すると、徒歩にて移動する。 |
22:10 |
対象は、系列外のバーに入る。 店内を窺うと、対象は女性Bと密会をしている様子である。 |
23:30 |
対象と女性Bは同店を出て、徒歩にて移動する。 |
23:35 |
対象と女性は離別し、対象は勤務先に戻る。 何事もなかったように勤務を再開する。 |
調査報告
数日間の調査により、当該従業員は明らかに就業規定に違反する複数の行動を取っていたことが判明しました。
まず、シフト外で他の飲食店に制服を着たまま勤務していたこと。これは会社の看板を背負っている立場上、重大な信用問題に発展します。
また、勤務時間中に無断で店舗を抜け出し、女性と会っていた行動も複数回確認され、業務放棄とも取れる内容でした。
さらに、調査中に立ち寄った店舗が風俗店関連の店舗である可能性も浮上しており、企業ブランドを著しく損なう行為に繋がる恐れがあると報告いたしました。
アフターサポート
ご報告後、経営者様は「まさか彼がここまでとは…」と落胆の表情を見せつつも、「やはり調査をお願いして良かった」とご安心の様子でした。
当社では、従業員との面談に際して使用できる報告資料の整備、法的手続きを進める場合の顧問弁護士の紹介などもサポートしています。
今回は、調査結果をもとに当該従業員と個別に面談を実施。本人は当初事実を否定していたものの、写真・映像による証拠を突き付けると不正行為を全面的に認めました。
結果として、会社の就業規定に照らし合わせて懲戒処分を実施し、企業としての姿勢を明確に打ち出すことができました。
さらに、他の従業員への影響を最小限に抑えるため、社内のコンプライアンス研修を強化。経営者様からは「これを機に会社の体制そのものを見直す良いきっかけになった」と前向きな声を頂いております。
企業にとって従業員の信用は、看板と同じほど大切なものです。ひとりの不正が会社全体の信頼を損ないかねない現代において、素行調査は“リスク管理”として非常に有効です。
今回のように「信頼していた部下が裏切っていた」という現実は、決して他人事ではありません。だからこそ、事実を見極めたうえで、適切な判断と行動が必要なのです。
私たちは、企業様の信頼と安心を守るため、正確で丁寧な調査を行っています。