配偶者の不貞行為が発覚し、「慰謝料を請求したいが、何から始めれば…」「いくら請求できるのか知りたい」「証拠が不十分で不安だ」といったお悩みを抱えていませんか?
本記事では、不貞行為の慰謝料請求について、慰謝料の相場から証拠収集、請求手順まで、探偵業界に精通したプロが網羅的に解説します。
この記事を読めば、適切な慰謝料額の算定方法や法的に有効な証拠の集め方が分かり、成功確率の高い慰謝料請求が可能になります。一人で抱え込まず、正しい知識を武器に、あなたの権利を守るための一歩を踏み出しましょう。
目次
まずは結論!不貞行為の慰謝料請求で知っておくべき6つの要点

不貞行為の慰謝料請求を成功させるためには、以下の6つのポイントを押さえることが重要です。
- 慰謝料相場は50万~300万円程度
離婚の有無や証拠の強さで金額は大きく変動します。 - 法的な不貞行為は「肉体関係」が原則
配偶者以外との自由な意思に基づく肉体関係を指し、証拠なくして請求は困難です。 - 慰謝料請求には「時効」がある
不貞行為の事実と不倫相手を知った時から3年以内に請求する必要があります。 - 請求相手は配偶者と不倫相手の両方
両方に請求可能ですが、慰謝料の二重取りはできません。 - 有効な証拠収集は専門家へ
法的に有効な証拠を確実に集めるには、探偵や弁護士への依頼が効果的です。 - 感情的な行動は禁物
慰謝料請求では、常に冷静な対応が求められます。
これらのポイントを理解することが、効果的な慰謝料請求の第一歩となります。
【判例から見る】不貞行為の慰謝料相場は50万~300万円|金額を左右する8つの重要要素

不貞行為の慰謝料額に法律上の明確な基準はなく、個別の事情を総合的に判断して決定されます。裁判実務では50万~300万円の範囲で認定されるのが一般的ですが、金額を大きく左右する要素が8つあります。
- 離婚に至ったか、婚姻関係を継続するか
- 不貞行為の期間や頻度・悪質性
- 婚姻期間の長さ
- 未成熟の子どもの有無
- 不貞行為が原因の精神的苦痛の度合い
- 不貞行為発覚後の配偶者や不倫相手の態度
- 配偶者や不倫相手の支払い能力(年収・資産)
- 不貞行為を立証する証拠の強さ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 離婚に至ったか、婚姻関係を継続するかで大きく変動
慰謝料額は、離婚に至った場合の方が高額になる傾向があります。
離婚は婚姻関係が完全に破綻したことを意味し、受けた精神的苦痛がより大きいと判断されるためです。
実際の裁判例でも、離婚した場合は100万~300万円、婚姻関係を継続する場合は30万~200万円程度と、金額に大きな差が見られます。
平穏な結婚生活を永遠に失った精神的損害は、関係が継続した場合よりも大きいと見なされるため、高額な慰謝料が認められやすいのです。
2. 不貞行為の期間や頻度・悪質性
不貞行為の期間が長く、頻度が高いほど慰謝料は増額される傾向にあります。
長期間にわたる不貞関係は、裏切りが常態化していたことを意味し、精神的苦痛を増大させる要因と見なされるからです。
例えば、東京地裁の判例では、約5年10ヶ月続いた不貞関係に200万円、1回のみの不貞行為に80万円の慰謝料が認定されたケースがあります。
回数についても、継続的に20回程度の性交渉があった場合に高額な慰謝料が認められた判例が存在します。期間や頻度は他の要素と合わせて総合的に評価され、最終的な金額が決定されます。
3. 婚姻期間の長さ
婚姻期間が長いほど、慰謝料は高く算定される傾向があります。
長く連れ添った夫婦ほど、共に築き上げてきた歴史や思い出が深く、不貞行為によって平穏な結婚生活が壊された際の精神的苦痛が大きいと判断されるためです。
具体的な相場としては、婚姻期間1年~5年で100万~200万円、10年以上では150万~500万円とされています。
ただし、結婚1年未満の場合は数十万円から高くても100万円程度と、相場は低めになります。婚姻期間はあくまで判断材料の一つであり、他の要素と組み合わせて総合的に評価されます。
4. 未成熟の子どもの有無
夫婦の間に未成熟の子どもがいる場合、一般的に慰謝料の増額事由となります。
未成熟子とは、経済的に自立していない子どものことで、通常は20歳未満の子どもを指します。
親の不貞行為は、子どもの精神的ショックや家庭環境の悪化、経済的な不安定などを引き起こし、家庭全体に深刻な影響を与えるためです。
子ども自身が親に慰謝料を直接請求することは基本的にできませんが、未成熟子の存在は「配偶者が負う家庭への責任をより重くするもの」として、裁判所の判断において重要な考慮要素となります。
5. 不貞行為が原因の精神的苦痛の度合い
不貞行為によって受けた精神的苦痛の程度は、慰謝料額を決定する重要な要素です。
精神的苦痛の度合いは、うつ病の発症や治療の必要性、日常生活への支障の程度などから客観的に判断されます。
実際に、不貞行為が原因でうつ状態と診断されたことが考慮され、200万円の慰謝料が認定された判例もあります。
医師の診断書や通院記録、服薬記録などで客観的に立証できれば、慰謝料の増額要因となります。精神的苦痛は主観的な側面も強いため、客観的な証拠による裏付けが極めて重要です。
6. 不貞行為発覚後の配偶者や不倫相手の態度
不貞行為が発覚した後の当事者の態度は、慰謝料額に大きく影響します。
真摯に反省し、関係を即座に解消すれば減額要因となる一方、開き直ったり関係を継続したりすれば増額要因となります。
例えば、謝罪や関係解消の誓約などは減額につながります。反対に、暴言や脅迫、証拠隠滅、虚偽の弁解などは悪質と見なされ、慰謝料が増額される可能性が高まります。
発覚後の態度は、当事者の人格や反省の度合いを示すものとして、裁判所が重視する要素の一つです。
7. 配偶者や不倫相手の支払い能力(年収・資産)
慰謝料の額は本来、支払い能力に影響されませんが、現実的な回収可能性を考えると重要な要素です。
慰謝料は被害者の精神的苦痛を基準に算定されるため、加害者の年収や資産は理論上、金額の決定に直接影響しません。
しかし、示談交渉では支払い能力が重視されます。裁判で1000万円の支払いが命じられても、相手に資産がなければ回収は不可能です。
そのため、請求する際は相手の職業や年収、資産状況を事前に調査し、現実的に支払可能な金額を見極めることが重要になります。
8. 【高額請求の鍵】不貞行為を立証する証拠の強さ
慰謝料請求の成否と金額は、不貞行為を立証する証拠の強さで9割決まると言えます。
法律上の不貞行為とは「配偶者以外の人と自由な意思に基づいて肉体関係を持つこと」であり、この事実を客観的に証明する必要があります。
肉体関係を示す証拠がなければ、「不貞行為はしていない」と反論されると請求は認められません。最も証拠能力が高いのは、ラブホテルへの出入りを撮影した写真や動画、探偵による調査報告書などです。
これらの客観的な証拠があれば、相手も事実を争うことが難しくなり、適正な金額での早期解決が期待できます。
以下の記事では、不貞行為の証拠となる11の事項について解説しています。
【最重要】慰謝料請求は証拠で9割決まる!プロ探偵が教える証拠の集め方7つのポイント

不貞行為の慰謝料請求において、証拠の重要性は計り知れません。証拠が十分であれば請求は認められやすくなりますが、不十分な場合は認められる可能性が著しく低くなります。
不貞行為の事実を証明する責任は請求する側にあり、これを「立証責任」と呼びます。相手が不貞を否認した場合、証拠がなければ敗訴するリスクが高まるのです。
ここでは、プロの探偵が教える証拠集めの7つのポイントを解説します。
1. 裁判でも通用する「勝てる証拠」ランキングTOP5
慰謝料請求で勝つには、1つでも有効な決定的証拠と、複数の補強証拠を組み合わせることが重要です。
最も有効とされる証拠ランキングは以下の通りです。
- 第1位:不貞行為中の画像や映像
性行為やラブホテルへの出入りを撮影した写真・動画が該当します。 - 第2位:不貞に関する録音データ
不貞行為を認める会話の音声記録です。 - 第3位:LINEやメールの履歴
肉体関係を具体的に示唆する内容が含まれている必要があります。 - 第4位:探偵社による調査報告書
プロが収集した客観的証拠として高い証拠能力を持ちます。 - 第5位:不貞行為を認める念書や誓約書
これらは単独でも法廷で通用する強力な証拠となり得ます。
2. これだけでは不十分?証拠能力が低い証拠の具体例
単独では不十分でも、複数組み合わせることで有効な証拠となるものも存在します。
証拠能力が低いとされる証拠の具体例は以下の通りです。
- デートしている写真
腕を組んで歩いているだけでは、肉体関係の証明にはなりません。 - 日常的なLINEのやり取り
「会いたい」「大好き」といった内容だけでは不十分です。 - 通話履歴やGPS履歴
接触の事実は示せても、肉体関係の証明にはなりません。 - レシートや利用明細
ラブホテルの記録がない限り、決定的な証拠にはなり得ません。
これらの証拠は「状況証拠」として機能し、「本人の自白」や「決定的証拠」と組み合わせることで有効な証拠となります。
3. LINEのトーク履歴を証拠にする場合の注意点
LINEのトーク履歴を法的に有効な証拠とするには、肉体関係の証明と信憑性の確保が必要です。
LINEを証拠として活用する際には、以下の点に注意してください。
- 肉体関係を示唆する内容
「昨日のエッチは気持ち良かった」など、具体的な表現が求められます。 - トーク履歴全体の信憑性
やり取りが自然で矛盾がないほど、証拠としての価値は高まります。 - スクリーンショットの撮影方法
相手の名前や日時が分かるように撮影することが不可欠です。 - 改ざんの疑いを避ける
やり取りが連続していることが分かるように保存することが重要です。 - 補強証拠の収集
LINEだけでは証拠として不十分な場合、他の証拠と組み合わせることが効果的です。
以下の記事ではLINEのトーク履歴などから浮気調査を行う方法についてより詳しく解説しています。
4. 自分で証拠集めをすることの5つの深刻なリスク
自分で証拠を集める際には、違法行為による刑事罰や証拠として認められなくなるリスクが伴います。
自力での証拠収集には、主に以下の5つのリスクがあります。
- 証拠排除のリスク
違法な手段で得た証拠は、裁判で無効と判断される可能性があります。 - 刑事罰の危険性
盗聴やパスワードの無断使用は、犯罪に問われる恐れがあります。 - プライバシー侵害による民事責任
損害賠償を請求される可能性があります。 - 相手に警戒されるリスク
調査が発覚すると、相手が警戒して証拠集めが困難になります。 - 逆に訴えられるリスク
名誉毀損などで反訴される可能性があります。
以下の記事では、自分で浮気調査を行う際によく使われるAirTagを用いた調査についてのリスクに関して詳しく解説しています。
5. 証拠がない…と諦める前に探偵ができること
探偵の専門技術により、一般の方では入手困難な決定的証拠を合法的に収集することが可能です。
探偵が提供する主な証拠収集サービスは以下の通りです。
- 尾行・張り込み調査
ラブホテルに出入りする決定的な瞬間などを撮影します。 - 高品質な写真・動画撮影
法廷で通用する鮮明な証拠を収集します。 - 調査報告書の作成
調査の詳細な経緯と証拠を客観的にまとめ、裁判でも有効な資料とします。 - GPS機器を使用した追跡調査
相手の行動パターンを把握し、効率的な証拠収集を実現します。 - 複数日にわたる継続調査
一度きりではない、継続的な不倫関係を立証します。
費用はかかりますが、確実な証拠収集と高額な慰謝料獲得の可能性を考えれば、投資効果は高いと言えるでしょう。
以下の2記事では探偵の選び方についてより詳しく解説しています。
6. RESTART探偵事務所の調査で高額慰謝料を獲得した事例
探偵による専門調査で、年収の1.5倍という高額な慰謝料を獲得した実例があります。
40代女性からの依頼で、夫の不倫により離婚を求められたケースがありました。ご自身では証拠を持っておらず、弁護士のアドバイスで探偵に調査を依頼。
探偵が夫を尾行した結果、不倫相手の女性宅に住んでいることが判明しました。この決定的な証拠により、夫は非を全面的に認め、最終的に夫の年収の1.5倍の慰謝料で合意に至りました。
このように、プロの調査による確実な証拠収集が、高額な慰謝料獲得につながった成功事例です。
7. 【無料診断】あなたの持っている証拠、慰謝料請求で通用しますか?
お手持ちの証拠の有効性を事前に確認することで、慰謝料請求の成功確率を大幅に向上させられます。
RESTART探偵事務所では、お持ちの証拠が慰謝料請求で通用するかどうかの無料診断を実施しています。
この診断では、専門家が現在の証拠を客観的に評価し、法的な有効性を判断します。「証拠の証明力評価」「不足している証拠の特定」「追加収集すべき証拠の提案」などを行い、成功の見込みを明らかにします。
証拠が不十分な場合は、専門的な追加調査をご提案し、確実な慰謝料請求へと繋げます。一人で悩む前に、まずは専門家による客観的な証拠評価を受けることをお勧めします。
RESTART探偵事務所は24時間365日対応の無料相談窓口を設けており、契約前のキャンセル料も一切不要です。一人で悩まず、まずは全国対応のRESTART探偵事務所へ、あなたの声をお聞かせください。
慰謝料請求を成功に導くための4つの鉄板ステップ

慰謝料請求を成功させるには、戦略的かつ段階的なアプローチが不可欠です。以下の4つのステップを順序立てて実行することで、効果的な慰謝料請求が可能になります。
- 【STEP1】何よりも先に動かぬ証拠を確保する(最重要)
- 【STEP2】不倫相手の身元(氏名・住所)を特定する
- 【STEP3】内容証明郵便で慰謝料を請求する
- 【STEP4】示談交渉、応じなければ調停・訴訟へ
各ステップを詳しく解説します。
1.【STEP1】何よりも先に動かぬ証拠を確保する(最重要)
慰謝料請求成功の鍵は、相手が否定できない決定的な証拠を請求前に確保することです。
証拠確保が最優先される理由は、不貞行為の事実を証明する「立証責任」が請求側にあるためです。
証拠収集のポイントは、ラブホテル出入りの写真など「肉体関係を証明する直接証拠」と、複数回の密会など「継続性を示す証拠」を組み合わせることです。単独では弱い証拠も、組み合わせることで補強証拠として活用できます。
重要なのは、相手に請求の意思を伝える前に証拠収集を完了させることです。先に伝えてしまうと相手が警戒し、その後の証拠集めが極めて困難になります。
2.【STEP2】不倫相手の身元(氏名・住所)を特定する
慰謝料請求を行うためには、不倫相手の正確な身元情報が不可欠です。
身元特定が必要な理由は、法的な請求書面の送付や、将来的な給与差し押さえなどの強制執行に備えるためです。
特定すべき情報は「正確な氏名(本名)」「現住所」「勤務先」「連絡先」などです。特に「現住所」は内容証明郵便の送付に、「勤務先」は給与差し押さえの可能性を確保するために重要となります。
身元情報が不正確だと、せっかく証拠を集めても請求書面が届かず、慰謝料請求が困難になるため、確実な特定が求められます。
3.【STEP3】内容証明郵便で慰謝料を請求する
内容証明郵便による請求は、法的効力と心理的プレッシャーの両面で有効な手段です。
内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれるサービスです。
この方法には「時効の完成を6ヶ月間延長する効果」や、後の法的手続きで「請求の意思表示を証明できる効果」があります。また、正式な書面は相手に事の重大さを認識させ、任意の支払いを促す心理的プレッシャーを与える効果も期待できます。
専門家による適切な内容証明郵便の作成により、効果的な慰謝料請求が可能になります。
4.【STEP4】示談交渉、応じなければ調停・訴訟へ
段階的な法的手続きにより、相手の出方に応じた柔軟な対応が可能になります。
まずは「示談交渉」です。内容証明郵便を送付後、相手からの連絡を待ち、金額や支払方法を協議し、合意内容を示談書にまとめます。
相手が示談に応じない場合は「調停手続き」に移行します。裁判所の調停委員を介して話し合いでの解決を目指します。それでも合意に至らない場合は「訴訟提起」となり、裁判所が証拠に基づいて判決を下します。
早期解決のためには、各段階に進む前に、確実な証拠と適切な請求戦略を準備しておくことが極めて重要です。
慰謝料は誰に請求する?状況別に見る3つの最適な請求戦略

慰謝料は配偶者と不倫相手のどちらに対しても請求できますが、夫婦関係の今後の方針によって最適な請求戦略は異なります。
不貞行為は「共同不法行為」にあたるため、二人は連帯して慰謝料を支払う責任を負います。重要なのは、どちらか一方から慰謝料を受け取ると、その範囲で両方から支払いを受けたことになり、二重取りはできないという点です。
具体的な状況に応じた3つの最適な請求戦略をご紹介します。
1. 配偶者にのみ請求するケース(関係修復を目指す場合)
夫婦関係の修復を目指す場合、配偶者にのみ慰謝料を請求することで、円滑な関係回復が期待できます。
この戦略のメリットは、穏便に事を済ませられるため、関係修復にスムーズに移行しやすい点です。また、不倫相手を刺激して逆恨みされるリスクを回避できます。
一方で、夫婦の共有財産から慰謝料が支払われるため、家計に負担がかかるというデメリットがあります。
この戦略は、配偶者が深く反省しており、不倫関係が完全に終了していることが前提条件となります。
2. 不倫相手にのみ請求するケース(離婚はしないが制裁を加えたい場合)
離婚せずに婚姻関係を続けるものの、不倫相手には制裁を加えたい場合、不倫相手にのみ請求するのが一般的です。
最大のメリットは、家計に負担をかけることなく、不倫相手の個人資産から慰謝料を支払わせることで、実質的な制裁を加えられる点です。
また、配偶者との関係修復を阻害せずに済む点も重要です。慰謝料相場は50万~200万円程度で、夫婦関係の状況により変動します。
この戦略は、配偶者と十分に話し合い、今後も婚姻関係を継続する方針を決めた後に行うのが効果的です。
3. 両方に請求するケース(離婚を決意した場合)
離婚を決意した場合、配偶者と不倫相手の両方に請求することで、最大限の慰謝料獲得が可能です。
両方に請求することで、どちらか一方の支払い能力に不安があっても、もう一方から回収できるため、確実性が高まります。
慰謝料相場は100万~300万円程度で、離婚により婚姻関係が完全に破綻したことから高額な慰謝料が期待できます。実務上は、離婚慰謝料と不貞慰謝料を合わせて請求するのが一般的です。
この戦略は、確実な証拠があり、相手の身元も特定できている場合に最も効果的です。
4. 注意!慰謝料の二重取りはできない「求償権」とは?
慰謝料の二重取りは原則認められず、一方が支払った場合は他方に「求償権」が発生します。
求償権(きゅうしょうけん)とは、共同で不法行為を行った人の一方が慰謝料を支払った場合に、もう一方に対して「あなたの負担分を支払ってください」と請求できる権利のことです。
例えば、慰謝料総額200万円のケースで配偶者が150万円を支払った場合、不倫相手は「残り50万円しか支払う義務はない」と主張できます。
交渉の中で、相手に「求償権の放棄」を合意させることが、後々のトラブルを防ぐ上で重要になります。
請求前に必ず知るべき3つの注意点|時効とやってはいけないNG行動

慰謝料請求を成功させるには、法的な時効制度を理解し、感情的な行動を避けることが重要です。以下の3つの注意点を押さえることで、効果的な慰謝料請求が可能になります。
- 慰謝料請求権が消滅する「時効」のタイムリミット
- 感情的に絶対やってはいけない3つのNG行動
- 慰謝料請求を「しない方がいい」ケース
これらのポイントを詳しく解説していきます。
1. 慰謝料請求権が消滅する「時効」のタイムリミット
不貞行為による慰謝料請求権は、事実を知った時から3年、または行為があった時から20年で時効により消滅します。
時効がスタートする日(起算日)は、請求相手によって異なります。
不倫相手への請求では、相手が誰かを知った時から3年で時効となります。時効の進行を止めるには、内容証明郵便による請求で6ヶ月間延長する方法や、調停・訴訟の提起で時効を更新する方法があります。
時効が迫っている場合は、速やかに法的手続きを取ることが極めて重要です。
以下の記事では不貞行為による慰謝料請求の時効についてより詳しく解説しています。
2. 感情的に絶対やってはいけない3つのNG行動
感情的な行動は、慰謝料請求において致命的な結果を招く可能性があり、絶対に避けるべきです。
特に避けるべきNG行動は以下の3つです。
- 慰謝料請求を無視すること
身に覚えがないからと無視すると、相手が訴訟を起こし、欠席すれば敗訴する可能性があります。 - 安易に相手の要求を認めること
一度示談書にサインすると、後から内容を覆すことは非常に困難です。 - 感情的に言い争うこと
暴言や誹謗中傷は、逆に名誉毀損で訴えられるリスクを生みます。
これらの行動は事態を悪化させ、本来有利な立場を失う原因となります。
3. 慰謝料請求を「しない方がいい」ケースとは?
状況によっては、慰謝料請求を控えることが賢明な判断となる場合があります。
請求を控えるべき主なケースは以下の通りです。
- 証拠が不十分で相手が否定している場合
裁判で敗訴するリスクが高く、費用と時間の無駄になる可能性があります。 - 相手に全く支払い能力がない場合
強制執行しても回収できる見込みがありません。 - 夫婦関係の修復を最優先したい場合
請求により相手との対立が深まり、修復が困難になる恐れがあります。
これらのケースでは、弁護士などの専門家と相談の上で、慎重に判断することが重要です。
不貞行為の慰謝料に関するよくある7つの質問
不貞行為の慰謝料請求については、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、実際によく寄せられる7つの質問にお答えしていきます。
1. 慰謝料500万円や1000万円の請求は本当に可能ですか?
理論的には可能ですが、実際に認められるには、極めて悪質なケースなど特殊な事情が必要です。
通常の不貞行為の慰謝料相場は50万~300万円で、500万円が認められるケースは稀です。
過去の裁判例では、長年の不倫の末に子どもを産ませ、妻に内緒で離婚届を出して結婚した事例で500万円、DVなどの複合的要因が加わったケースで1000万円が認められたことがあります。
高額請求が認められるには、長期間の婚姻、悪質な不貞行為、DVなど、複数の深刻な要因が重なっている必要があります。
2. 不倫相手から慰謝料を請求されたらどうすればいいですか?
まずは冷静に内容を確認し、安易な返答は避けるべきです。
対処法として、まず「相手が客観的な証拠を持っているか」「慰謝料として具体的にいくら請求しているか」を確認することが重要です。
不倫が事実であれば、非を認めて謝罪の意を示した上で、相手の要求を聞きましょう。ただし、客観的証拠に基づかない請求や、相場より著しく高額な請求に応じる必要はありません。
事態を悪化させないよう、弁護士に相談しながら対処することが最も重要です。
3. 肉体関係がなくても慰謝料は請求できますか?
肉体関係がなくても、「不貞類似行為」や「不法行為」として慰謝料請求が認められる可能性があります。
請求が認められる具体例として、キスやハグ、頻繁な二人きりの密会など、恋人同士のような強い親密さがあった場合が挙げられます。
また、不倫まがいの関係が原因で配偶者が精神的に不安定になり、通院を余儀なくされるなど、婚姻関係に深刻な影響が出た場合も該当します。
ただし、通常の不貞行為による慰謝料よりも、金額は低くなる傾向があります。
4. 証拠集めは探偵と弁護士、どちらに先に相談すべきですか?
まず弁護士に相談し、どのような証拠がどれだけ必要かを確認した上で、探偵の活用を検討することをお勧めします。
弁護士に先に相談すべき理由は、手元の証拠で戦えるか、あるいは相手が不貞を認めていて調査の必要がないかなどを判断してもらうためです。
弁護士に相談することで、必要な調査の範囲(人数や日数)について的確なアドバイスを受けられます。事実関係や証明すべき事項を整理した上で、効率的な調査を行うためにも、まずは弁護士への相談が有効です。
5. 探偵の調査費用は慰謝料に上乗せして請求できますか?
事案の内容によりますが、上乗せ請求が認められる可能性があります。
請求が認められやすいのは「配偶者が不貞行為を否定しており、探偵の調査資料がなければ立証できなかった場合」です。この場合、調査と損害の因果関係が認められ、費用の一部または全額が損害として認められることがあります。
一方、請求が困難なのは「配偶者が不貞行為を認めている場合」など、調査の必要性が低いケースです。
調査費用の全額が損害として認められるケースは限定的で、一部のみの認定となることが多いのが実情です。
6. 最近「不貞慰謝料は時代遅れ」と聞きますが、本当ですか?
いいえ、日本では現在も法的に有効で実用性の高い制度として維持・強化されています。
不貞相手への慰謝料請求は「婚姻共同生活の平和の維持」という権利を守るための損害賠償として位置づけられています。
最近では、2020年の民法改正で時効制度が見直され、以前よりも請求できる可能性が広がるなど、被害者の権利保護が強化されています。
「時代遅れ」という見方は適切ではなく、法的に有効な権利として確立された制度です。
7. 相手が慰謝料を支払わない場合、どうなりますか?
段階的に法的手続きを進めることで、強制的に回収することが可能です。
対処法として、まずは弁護士に依頼して減額や分割払いの交渉をしてもらうのが効果的です。
それでも支払いに応じない場合は、裁判所を通じた法的手続きに移行します。最終的には「強制執行」により、相手の給与や財産を差し押さえて回収することができます。
ただし、相手に差し押さえる財産がない場合や、自己破産した場合は、支払義務がなくなる可能性もあります。
まとめ: 一人で悩まず、まずは「証拠のプロ」RESTART探偵事務所にご相談ください

不貞行為の慰謝料請求で最も重要なのは、法的に有効で確実な証拠の確保です。慰謝料請求の成否は証拠で9割決まり、適切な証拠がなければ、相手に否定された際に請求が困難になります。
RESTART探偵事務所は、不貞行為の証拠収集における豊富な実績と専門技術を持つ「証拠のプロフェッショナル」です。違法行為を避けながら、法廷で通用する決定的証拠を収集し、多くの依頼者を高額慰謝料の獲得に導いています。
証拠収集のタイミングを逃すと、相手に警戒され今後の証拠集めが困難になる可能性があります。まずは無料相談で、お持ちの証拠の有効性診断や最適な調査プランについてご相談ください。あなたの平穏な生活を取り戻すための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。
RESTART探偵事務所は24時間365日対応の無料相談窓口を設けており、契約前のキャンセル料も一切不要です。一人で悩まず、まずは全国対応のRESTART探偵事務所へ、あなたの声をお聞かせください。