社用車が暴いた、不良社員の実態

素行調査をお問合せした経緯
今回の依頼者は、中小企業を経営する50代の社長様でした。
長年勤めている社員の一部に、業務態度が悪化し、会社の生産性に悪影響を及ぼしている者がいるとのことでした。特に、あるベテラン社員Aの問題行動が目立ち、社内での不満も高まっている状況でした。
社員Aは、元々優秀な社員として評価されていたものの、ここ数年で遅刻・早退が増え、社内での勤務態度も悪化。会議には遅刻し、報告業務は適当に済ませるようになり、取引先との連絡も遅れがちになっていました。
また、他の社員とのコミュニケーションも減り、業務の妨げになっているとの声が上がっていました。
さらに、勤務時間中にも関わらず外出が多く、その目的が不明であることから、社長様は「本当に業務をしているのか?」という疑念を抱くようになりました。
取引先に確認したところ、「アポイントなしで訪問することが増えた」「約束の時間に現れないこともある」との情報も入り、不安がさらに募ることに。
また、社員Aは業務用の社用車を使用する機会が多いにも関わらず、走行距離やガソリン代が不自然に多く計上されている点も問題視されていました。会社の経費を私的な用途に流用している可能性があると考えられ、調査を依頼するに至りました。
調査依頼者の情報
依頼者 | 年齢 | 職業 |
会社社長 | 50代 | 社長 |
対象者 | 年齢 | 職業 |
社員A(男性) | 40代 | 会社員 |
依頼者ヒアリング内容
依頼目的 | ・社員Aの行動調査 |
調査期間 | ・3日間 |
調査方法 | ・尾行、張り込み |
調査概要
調査事前準備
今回の調査では、Aの行動パターンを把握するため、出社・退社時間、外出時の目的地、勤務時間中の行動を重点的に監視することにしました。
さらに、Aが頻繁に利用しているとされる外出先の確認も行い、本当に業務に関係するものなのか、それとも私的な目的で外出しているのかを明確にすることを目的としました。
事前に社内の他の社員からの情報提供も受け、特に不審な行動が見られる時間帯に調査を集中させることにしました。
調査開始
調査スケジュール
08:50 |
対象勤務先より本日の調査を開始する。 対象は、通常通り出勤し、社内に入る。 |
10:30 |
対象は、社用車にて外出する。 |
11:10 |
対象は、取引先とは関係の無いカフェに入店する。 対象は、携帯電話を操作している様子である。 |
12:05 |
対象は、同カフェを退店し、社用車に乗車する。 その後、移動する。 |
12:30 |
対象は、ショッピングモールに入店する。 |
12:40 |
対象はショッピングモール内のフードコートに入り、食事をする。 |
13:20 |
対象は、フードコートを出てショッピングモール内を移動する。 アパレルショップに入店し、一通り見た後、退店する。 |
13:30 |
対象は、ショッピングモールを退店し、社用車に乗車する。 その後、移動する。 |
14:00 |
対象は、マッサージ店に駐車し、入店する。 |
16:00 |
対象は同店を退店し、社用車に乗車する。 その後、勤務先方向へ走行する。 |
16:20 |
対象は、勤務先に到着し、勤務先に入る。 依頼者との申し合わせにより、調査を解除する。 |
依頼者様からの情報によると、調査当日16時〜社内会議があったそうですが、対象は遅刻してきたそうです。
また、その際提出予定だった会議資料も間に合っておらず、未完成のまま提出された。とのことでした。
調査報告
調査の結果、社員Aが勤務時間中に私的な外出を繰り返していることが明らかになりました。
調査日だけでも、カフェでの長時間の滞在や、ショッピングモールでの買い物、飲食店での食事など、業務に関係のない行動が多数確認されました。
さらに、取引先への訪問があった日でも、事前のアポイントを取っておらず、ほとんどが無断訪問であることも判明。取引先からの信頼を損ねる行動をしている可能性が高いと考えられます。
また、社用車の使用状況を詳しく確認すると、業務と関係のない移動が多く、ガソリン代や走行距離の申請内容にも不審な点が多く見受けられました。
「仕事をしているフリ」をしながら、実際には私的な活動に時間を費やしていたことが、詳細な報告書によって証明されました。
依頼者である社長様に報告書をお渡しすると、「まさかここまでとは思わなかった」と、驚きと怒りの表情を見せていました。
アフターサポート
調査結果を受け、依頼者様は社員Aと直接話し合いの場を設けることにしました。
証拠を突きつけられた社員Aは最初は言い訳をしていましたが、映像や写真を見せると観念し、不適切な行動を認めました。
社長様は、社員Aに対して厳重注意を行うとともに、社内の業務改善策を検討。具体的には、外出時の報告義務の徹底、社用車のGPS管理の強化、月次の業務報告の義務付けを実施することになりました。社員Aに対しては業務態度の改善を求め、今後同様の問題が発生した場合には、直ちに懲戒処分にすることを通知しました。
また、社内の他の社員に対しても、業務意識の向上を促すための研修を実施し、不正行為があれば即座に報告する体制を整えることになりました。依頼者様は「この調査で問題の全容が把握できたおかげで、適切な対処ができる」と安堵の表情を見せていました。
現在、社員Aは厳格な監視のもと、業務態度を改める努力を続けているとのことです。依頼者様も「今後は全社員の働き方を見直し、より良い環境を作っていきたい」と前向きな姿勢を見せていました。
不良社員の行動は、会社の業績や社内の士気に大きな影響を及ぼします。
業務態度の悪化や勤務中の不審な行動に気づいたら、早めの調査と対応が重要です。今回のケースでは、証拠を明確にすることで、問題社員の改善を促すだけでなく、会社全体の業務管理の見直しにもつながりました。
もし、社員の勤務態度や行動に不審な点がある場合、一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。