会社を蝕む不良社員〜企業調査で暴かれた実態〜

企業調査をお問合せした経緯
今回のご依頼は、都内にある中規模の企業を経営されている50代の社長様からのものでした。
最近、社内で業務効率の低下が目立ち始めた一方で、不明瞭な経費の増加や情報漏洩の疑いが浮上し、経営に深刻な影響を及ぼしていると感じていたとのことです。
社長様は会社を創業して以来、従業員を大切にし、信頼を基盤とした経営を行ってきました。しかし、最近は以下のような問題が発生し、企業の健全性を維持するために事実を明らかにしたいと考えていたそうです。
- 特定の社員が頻繁に業務中に外出し、行動が不明瞭
- 営業成績が低いにもかかわらず、過剰な経費を申請
- 社内の機密情報が競合企業に漏れている可能性
- 他の従業員の士気が低下し、職場環境が悪化
- クライアントからの評判が低下し、契約が減少
上記の理由から、社長様は「会社の未来を守るためにも、従業員の不正があるならば明確にしなければならない」という強い意志を持ち、従業員の信頼を損なわないよう慎重に調査を進めるため、弊社に企業調査を依頼されました。
調査依頼者の情報
依頼者 | 年齢 | 職業 |
社長 | 50代 | 企業経営者 |
対象者 | 年齢 | 職業 |
A社員(男性) | 40代 | 営業職 |
依頼者ヒアリング内容
依頼目的 | ・特定の社員の行動を調査し、不正の有無を明らかにする。 ・不正が発覚した場合、その証拠を確保し、適切な処置を取る。 |
必要情報 | ・対象社員の業務時間中の行動記録。 ・交際費の使用状況とその正当性。 ・競合企業との接触の有無。 |
調査期間 | ・7日間 |
調査方法 | ・尾行、張り込み、経費精査 |
調査概要
調査事前準備
対象社員の勤務スケジュールや外出頻度を把握し、特に業務時間内の不審な行動を重点的に調査。
また、社内の経理部門とも協力し、経費の使用実態を分析しました。
調査開始
調査スケジュール
1日目 10:00 |
勤務会社より調査を開始する。 対象は、出社後すぐに外出し徒歩にて移動する。 その後、付近の飲食店に入店し、友人らしき人物と合流する。 ※業務とは無関係の話をしている様子である。 |
11:30 |
対象と友人は同店を出て離別する。 対象は、タクシーに乗車する。 |
12:00 |
対象は、高級レストランの前で降車し、同レストランに入店する。 レストラン内にて、事前情報にあった競合企業の社員Aと合流する。 ※業務とは無関係の会話をしている様子である。 |
14:00 |
対象達は、同レストランを退店し、徒歩にて移動する。 |
14:15 |
対象達はカフェに入店する。 少しして、対象達は、同競合企業の社員Bと合流する。 ※対象はタブレット端末を使用して、社内資料を見せている様子である。 |
15:45 |
対象達は同店を退店し、競合企業の社員A.Bと離別する。 対象は、徒歩にて移動する。 |
16:00 |
対象は電気屋に入店する。 ※個人的な買い物をしている様子である。 |
16:20 |
対象は、同店を退店し、タクシーに乗車する。 |
16:45 |
対象は、勤務先に到着し、社内に入る。 |
5日目 9:40 |
調査員は、業務開始後すぐに、対象PCから不正アクセスが検出されたと報告を受ける。 |
10:00 |
調査員は、対象勤務先に急行する。 |
11:00 |
対象は、勤務先を出て、路上にある喫煙スペースに入る。 対象は、電話をしている様子である。 |
11:20 |
対象は、勤務先に戻り、社内に入る。 |
12:00 |
対象は勤務先を出て、タクシーに乗車する。 |
12:10 |
対象は、事前情報の競合記号の担当者と合流し、カフェに入店する。 |
13:00 |
対象達は密談している様子である。 ※対象は、社内営業資料をダウンロードし、個人メールアドレスから外部企業にメールする様子を確認する。 |
14:30 |
対象は会計をしている様子である。 ※領収書を発行しており、宛名が勤務先であることを確認する。 |
14:35 |
対象達は同店を出て、離別する。 対象は、タクシーに乗車し、同タクシーは勤務先方向に走り出す。 |
調査の結果、対象社員Aは業務時間中に度重なる無断外出を行い、さらに競合企業と頻繁に接触していることが判明しました。
さらに、社内データへの不正アクセスや、社内資料を外部へ流出させていることも確認しました。
また、勤務先経理部からは、交際費の使用履歴を確認したところ、営業活動とは無関係な個人的な飲食や買い物に使われていたことも判明したことも確認しました。
さらに、競合企業に営業戦略資料を提供していた証拠が発見されました。
調査報告
社長様に調査報告書をお渡ししたところ、「ここまでひどいとは思わなかった」と驚きを隠せない様子でした。
対象社員を呼び出し、証拠を提示しながら説明を求めたところ、最初は「自分ではない」と否定していましたが、写真付きの証拠を前にすると、言い逃れできないことを悟ったのか、不正を認めました。
アフターサポート
社長様は、今回の調査結果をもとに対象社員Aの解雇を決定しました。
また、競合企業との情報流出のリスクを最小限に抑えるため、社内の情報セキュリティ対策を強化することを決定しました。
- 社内セキュリティ対策の強化
- 経費申請の透明性を向上させる仕組みの導入
- 社内モラル向上のための研修実施
- PC監視システムの導入による情報漏洩防止
これにより、今後同様の事態を防ぎ、企業の健全な経営を維持するための対策が実行されました。
企業の成長を阻害する不良社員の存在は、早急に対応しなければなりません。
不正の疑いがある場合、迅速な調査と適切な処置が不可欠です。
私たちは企業の安全と健全な運営をサポートいたします。
社員に怪しい動きや、明確でない経費申請などございましたら、一度ご相談下さい。