突然の家出。SNSでのSOS

人探し調査をお問合せした経緯
今回のご依頼者様は、50代のご夫婦からでした。中学3年生の息子さんが、ある平日の夜に突然帰宅しなくなったことから、弊社へ調査のご依頼をいただきました。
当初は「友達の家に寄っているのかも」と軽く考えていたものの、時間が過ぎても連絡がつかず、LINEも未読のまま。塾にも顔を出しておらず、担任の先生に確認しても、特に異常は報告されていないとの返答でした。
慌ててご両親は、クラスメイトの保護者に連絡を取るも、誰も息子さんの所在を知らない状況。普段から反抗的な態度はあまり見せず、家庭内の雰囲気も大きな問題はなかったため、突発的な家出に動揺が広がりました。
「部屋にも手がかりは何も残っていなくて…スマホは持っていっていましたが、GPSは切られていて…」
そんな中、お母様が思い出したのは、最近息子さんがよく使っていたネット掲示板でのやり取りでした。「自由になりたい」「親の期待が重い」などの書き込みが見つかり、精神的に追い詰められていた可能性も浮かび上がってきました。
最寄りの交番に行方不明届を出しつつ、より迅速な対応を求めて、弊社に調査依頼されました。
調査依頼者の情報
依頼者 | 年齢 | 職業 |
夫婦 | 50代 | 会社員 |
対象者 | 年齢 | 職業 |
息子 | 10代 | 学生 |
依頼者ヒアリング内容
依頼目的 | ・息子の所在確認、行動確認 |
調査期間 | ・3日間 |
調査方法 | ・尾行、張り込み ・聞き込み |
調査概要
調査事前準備
ご両親から提供いただいた情報には、息子さんの最近の行動履歴や所持品(スマホ・財布・ICカード)などが含まれていました。
スマホのGPS機能がオフになっていたため、足取りの特定は困難でしたが、最近の検索履歴に「家出 未成年」「寝カフェ 泊まれる」「友達の家に泊まる方法」などのワードが確認されました。
また、SNSの投稿には「親に縛られたくない」「自由に生きたい」といったメッセージが投稿されており、一時的な衝動による家出の可能性が高いと判断されました。
調査開始
調査スケジュール
13:00 |
依頼者様の自宅付近および最寄り駅付近にて調査を開始する。 登下校の通学路や、普段立ち寄りそうな場所を重点的に確認する。 |
14:30 |
張り込みと並行し、対象の友人宅(複数件)を順次訪問し、所在に関する聞き込み調査を実施する。 |
16:00 |
最寄り駅周辺にて、対象が単独でいるところを発見する。 対象は徒歩にて移動する。 |
16:30 |
対象は、インターネットカフェに入る。 |
16:35 |
対象は、同店内にて、同世代と思われる男性と合流する。 |
17:00 |
対象達は、PCゲームをしている様子である。 |
19:00 |
これまで、状況に変化は見られない。 |
20:00 |
状況を把握した依頼者様が、同ネットカフェに到着し、対象を保護する。 |
対象は、ネットカフェに友人と泊まり込んでいたことが確認された。また、平日には学校へ行かずに、友人宅で遊んでいる様子も確認されました。
調査報告
今回の調査により、息子さんが駅近くのインターネットカフェで寝泊まりしていたことが確認されました。
ネットで知り合った同年代の友人と合流し、数日間をそこで過ごしていたようです。幸い、重大な事件やトラブルには巻き込まれておらず、健康状態も安定していました。
保護の際、本人は「家にいるとプレッシャーが強く、息が詰まるような気がした」と話しており、家庭内での期待や進路への不安が家出の背景にあることが明らかとなりました。インターネット上でのやり取りを通じて、気持ちを共有できる相手がいたことも、外の世界へ逃げたいという気持ちを後押ししたようです。
調査結果は報告書として詳細にまとめ、保護までの流れや関係者とのやり取り、本人の発言内容も含めて依頼者様へお渡ししました。
アフターサポート
息子さんが無事に保護された後、ご両親は「これで終わりではない」と、今後の対応について深く悩まれていました。調査の結果、家出の背景には家庭内でのコミュニケーション不足や進路に関するプレッシャーが影響していたことが判明し、ご両親としても大きなショックを受けていらっしゃいました。
弊社では、まず初めに、心理的なケアを目的としたスクールカウンセラーや地域の子ども家庭支援センターの利用を提案しました。また、ご希望に応じて、臨床心理士による家族全体へのカウンセリングもご紹介しました。
ご両親は「今回の出来事をきっかけに、家族の関係を見直したい」と前向きに取り組まれる姿勢を見せてくださっています。
さらに、再発防止のために、スマートフォンやSNSの使い方、子ども同士のネット上での交流の危険性についても、家庭内で話し合う場を設けることを推奨しました。息子さんも保護後に「話を聞いてくれるだけで少し安心する」と話しており、家庭の中で安心できる居場所づくりが重要であると改めて感じました。
ご両親からは「探偵に頼むことに最初は抵抗があったが、プロの力を借りることで早期発見と再出発のきっかけがつかめた」とのお言葉をいただきました。
私たちも、単なる調査で終わらせず、その後の生活が少しでも安心できるものになるよう、今後も必要に応じて支援を続けてまいります。
今回のような未成年の家出は、単なる反抗や気まぐれと思われがちですが、実際には家庭内のストレスや周囲の期待に押しつぶされそうになっている子どもからの“無言のSOS”である場合も少なくありません。
早期発見と丁寧な対応が、子どもを守るための第一歩です。そして、家に戻ったからといって解決ではなく、その後のフォローや家族との関係修復こそが本当の課題となります。
私たち探偵社は、ただ所在を突き止めるだけでなく、ご家族が再び信頼を築けるように支える役割も担っています。「子どもが帰ってこない」と感じた時、早めの相談が大切です。焦りや不安に押しつぶされる前に、専門家にご相談ください。